カンヌ国際映画祭監督週間選出、トロント国際映画祭正式招待、オースティンファンタスティック映画祭正式招待、サン・セバスティアン国際映画祭正式招待、シッチェスファンタスティック映画祭正式招待、全米先行公開……世界中のファンを沸かせ、各国で熱いスタンディングオベーションを浴びた三池崇史監督の待望の最新作が、満を持して日本に凱旋する。主演に窪田正孝を迎え、完全オリジナルストーリーで届けるのは、『孤狼の血』(18)で平成のジャパニーズ・ノワールを締めくくった東映が令和の時代に送り出す新たなる意欲作、『初恋』だ!
“世界のミイケ”が手がけた監督人生初のラブストーリーは、往年のVシネ時代の荒唐無稽なテイストをうかがわせる作風で、フィクションならではのケレン味にあふれ、どこか浮世離れした手触りを感じさせながらも、時代の変わり目を生きる人々の心のリアルなひだにヒリヒリと刺さる。喜怒哀楽の感情がジェットコースターのように駆け巡る、人生で最高に濃密でエキサイティングな一夜を、二時間に凝縮した極上のダークロマンス!すべてを見届けたとき、「初恋」の二文字が熱く胸に迫ってくる。三池監督の集大成にして新境地でもある真骨頂を、全身の細胞をフルに解放して体感せよ!!
欲望うずまく新宿・歌舞伎町。様々な事情を抱えた人々の間に一人の男がいた。天涯孤独のプロボクサー・葛城レオ(窪田正孝)。稀有な才能を持ちながら、負けるはずのない格下相手との試合でまさかのKO負けを喫した彼は、試合後に受けた診察で余命いくばくもない病に冒されていることを告げられたばかり。突然の現実を受けとめきれず、すべての連絡を絶ってあてもなくこの街を彷徨っていた。
そんなレオの目の前を、何者かに追われているらしい少女が駆け抜ける。「助けて」という言葉に反応し咄嗟に追っ手の男をKOする。が、倒した男は刑事!レオは懐から落ちた警察手帳を手に取ると少女に腕をひかれ現場を後にする。少女はモニカ(小西桜子)と名乗り、父親に借金を背負わされ、ヤクザの元から逃れられないことを明かす。さっきレオが倒した男は刑事の大伴(大森南朋)で、ヤクザの策士・加瀬(染谷将太)と裏で手を組み、ヤクザの資金源となる“ブツ”を横取りしようと画策中。その計画のためにモニカを利用しようとしていたのだ。
ヤクザと大伴の双方から追われる身となったレオは、一度はモニカを置いて去ろうとするが、親に見放され頼る者もいないモニカの境遇を他人事とは思えず、どうせ先の短い命ならばと半ばヤケクソで彼女と行動を共にすることにする。
欲望がぶつかりあう、人生で最も濃密な一夜が、いま幕を開けた!
ならず者たちの争いに巻き込まれ、逃げ惑ううちに絆を深めるレオとモニカ。2人は夜明けまで逃げ切り、生き残れるのか?孤独な二つの魂が行き着く先に待ち受けるものとは・・・